3Dアクアテラリウム

立体写真による探訪記と恐竜ジオラマのアクアテラリウムと駄文のブログ

 

トラウマ映画に引き寄せられて....

Edit Category 特撮
以前にこのブログで紹介したLiteTubeには、お気に入りの動画を登録しており、中でも子供の頃に観た映画やテレビ番組などのノスタルジックなものを好んで登録する傾向が強くなってきた。

フランケンシュタイン対地底怪獣(1965年 東宝作品)
フランケンシュタイン


幼い頃には多くの特撮映画があり、怪獣映画以外でも空想的なストーリーや画像による独特な世界観を堪能することが出来た。SFというストーリーの性質上、それらは多少の恐怖を帯びていたが、ドラマチックな演出には欠かせないものであり、直視できない程の恐怖感は感じることはなかった。

クリストファー・リーが演じる吸血鬼ドラキュラ
ドラキュラ

幼稚園の頃に観たクリストファー・リー(Christopher Lee)が演じる吸血鬼ドラキュラ(Horror of Dracula)は取り分け怖く、布団をかぶって隙間から覗くという鑑賞方法しかできなかったのに小学生の頃には直視しながらそのクライマックスシーンを楽しめるまで慣れていたのであった。これも思い出深いノスタルジックな作品なので、例によってLiteTubeに登録しようとしたとき、私が最も恐怖に慄き、何度見返しても恐怖心が衰えることがないトラウマ映画の存在の記憶が蘇ってきたのである。

エドガー・アラン・ポー(左)  フェデリコ・フェリーニ(右)
Edgar Allan Poe Federico Fellini

『世にも怪奇な物語』の映画パンフレットより
世にも怪奇な物語 パンフ

その映画とは『世にも怪奇な物語(原題:Histoires extraordinaires)※1967年 伊・仏作品 』で、ロジェ・バディム(Roger Vadim)、ルイ・マル(Louis Malle)、そしてフェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)がエドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)の怪奇小説をモチーフに競作したオムニバス映画である。この映画を1972年の4月3日、荻昌弘の解説の月曜ロードショーで放映したものを偶然にも9歳の誕生日を迎えた私はテレビで観てしまったのである。考えてみれば、トイレに行くことさえ怖い誕生日の夜を過ごしたのである。

日本タイトルによるポスター
世にも怪奇な物語

もっと正確に言えば、第一話「黒馬の哭く館」はロジェ・ヴァディム監督、出演はジェーン・フォンダ、ピーター・フォンダという姉弟コンビ。主役のジェーン・フォンダは、ヴァディム監督と当時夫婦だっただけにそれなりの話題性もあったのだろうが、私にとっては、まったく怖くもなければ、殆ど印象がない。
第二話はルイ・マル監督による「影を殺した男」。出演はアラン・ドロン、ブリジット・バルドーという豪華スターで名前だけなら当時9歳の私でも知っている。ストーリーはなかなか興味深く所謂ドッペルゲンガー(霊的な生き写し)を扱うもので結論もなるほどと思わせるものであったが、結果として決して怖い感覚ではなかった。つまり、最初の二話ともトラウマになるべきものは殆ど感じられなかったのだ。

Spirits Of The Dead


”怖い”という感覚は国の文化によっても随分差があり、洋画ではドラキュラ以来、怖く感じる映画に出くわしていない。やはりこの映画も凡作の寄せ集めなのかなぁ、と思って観始めた第三話、これが想像を絶して強烈且つ的確に私の恐怖のツボを見事に突いてきたのである。しかもその圧倒的な恐怖は下の写真のマリーナ・ヤルー(Marina Yaru)という少女によって齎されたのである。

マリーナ・ヤルー※配役には”la bambina”(イタリア語で少女)としか記されていない。
marina yaru

第三話はイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニによる『悪魔の首飾り』という日本タイトル。本来の原作名は『悪魔に首を賭けるな』だが、映画の原作名では物語の主人公の名前 “トビー・ダミット(Toby Dammit)”となっている。1965年にウィリアム・ワイラー監督の『コレクター』で見せた反社会性人格障害の誘拐犯役の演技でカンヌ国際映画祭 男優賞を受賞したテレンス・スタンプ(Terence Stamp)が主人公を演じる。巨匠フェリーニとは初めての顔合わせだが、この作品では、テレンス・スタンプ以外の誰も考えられないと云われるまでのハマリ役を演じることになるのである。

ウィリアム・ワイラー監督『コレクター』1965年
the collector

イギリスのシェークスピア俳優トピー・ダミット(テレンス・スタンプ)は「福音書の贖罪を西部劇に置き換えた」という一般の人には理解が出来ないような内容の映画出演と映画賞授賞式のためにローマに招かれ、この空港に降り立つのだが、「ローマに降りずにこのままどこかに行ってしまいたい」…。と呟いていた。

Histoires extra ordinaires marina yaru

トピーは既に落ち目の俳優であり、アルコールとドラッグの中毒状態であるが、授賞式で貰えるフェラーリだけを楽しみに渋々ローマへやってきている。しかも彼はいつも一人の少女の幻覚に苛まれている。手に白いボールを持ち白いワンピースを着たブロンドの幼い少女。一緒に遊んで欲しいと言わんばかりにトビーの幻覚の中に現れては彼を死の淵へと誘ってゆく。ローマの地にも現れた少女にトビーは、「もう二度と姿を現さないと約束したじゃないか。」と話しかけても笑みを浮かべて首を左右に振るだけ....。

toby dammit

イタリアの映画界(テレビ界)の面々にマトモな者は誰もいない。殆どグロテスクか偏執狂の滑稽な集団に映る。数人がトピーに話しかけてくるのだが、トピーの心の中にまで言葉が響かない。明るい光を嫌って避けるトビーにはどこか死相が漂っている。他方取り巻きの連中は、目映いスポットライトの中心に居るのだが、トビーには、まるで現実とは思えない薄っぺらな表情にしか映らない。

toby dammit2

トピーは、らりった状態で「私は偉大な俳優なんかじゃない。もう一年も仕事をしていない。酔って私は泣いているんだ。ここは明るすぎる」…と支離滅裂な挨拶の後、逃げ出すように会場を飛び出し、会場の外に置かれていた報酬のフェラーリに乗り込み、目的地もないままにローマの街を疾走していく。

    Ferrari330LMB Fantuzzi  ※左は当該映画の再現モデル   右は当該映画のシーン
Fantuzzi Golden Ferrari 330LMB 4381SA 1964

狂ったように暴走するトピーは行き止まりに出くわす。「橋が壊れてるから迂回しろ!」と 橋の下の掘っ立て小屋で生活する二人が声を掛ける。行く手の先を確認するトピーの前に手に白いボールを持ち白いワンピースを着たブロンドの幼い少女が又いつものように姿を現わし、いつものように笑みを浮かべている。果たしてこの直後に圧巻のラストに展開していくのだが、敢えて結論は記さないでおこう。

トミー・ダビットは手に白いボールを持ち白いワンピースを着たブロンドの幼い少女によって死の淵に引き寄せられていく...。
Toby Dammit

『予言』『リング0』の監督・鶴田法男氏はこの作品を「怪奇映画のバイブル」とまで言わしめており、実際、貞子のイメージもこの少女に通じるものを感じるが、私は今でもこの少女の齎す恐怖を凌駕するものに出会っていない。勿論、この映画の怖さが何年も抜けなかった想いから、出来るだけホラー映画を敬遠するようになったことも原因ではあるが....。

リングの貞子
SADAKO.gif

この頁では、最も恐ろしい写真は希望者のみ見れるよう(下記の色付きの文章をクリック)隠している。久しぶりにこれらの動画や画像に触れてみて、今なお背筋が寒くなるのである。実際エドガー・アラン・ポーの存命の時代には自動車などなく、舞台を現代に置き換えられており、悪魔役を少女としたのもフェリーニによる新たなアレンジによるものである。この短編映画は巨匠フェリーニにとって唯一のホラー作品なのだが、この作品をフェリーニの最高傑作と推賞する評論家も居る。だからこそ初めて観たときの恐怖感は効き目が何年経っても色褪せることがない。他の二名の監督の作品を寄せ付けず、確実にフェリーニの技能が原作に劣ることない映像作品に仕上げられているのである。おかげでこの二~三日は夢にまで出てくることもあったのだが、中途半端に見ないようにするより、ブログ記事に取り上げることで今まで以上にこの作品そのものを理解し、その怖さに対して敬服の念を抱くようにしようと考えたのである。

Toby Dammit

手に白いボールを持ち白いワンピースを着たブロンドの幼い少女は、フェリーニの映画の殆どの音楽を手掛けたニーノ・ロータ(Nino Rota)の独特のピアノの旋律と共に姿を現してただ微笑むだけ...。まるでこの世のものとは思えないほど美しくもあり、一方で、見方によっては老婆のような怖ろしい顔にも見える。本編では上記のスチール写真とはまったく別の人にしか思えないように映っている。画面の端からこちらを睨みつける視線に目が離せなくなり、今まで他では味わったことがない恐怖を感じて何度観ても背筋がゾ~ッ”とする。目は白人らしい薄い色の瞳なのだが、肌の色が真っ白なので、日本的なイメージにも映る。もちろんDVDも販売されているが入手は困難だとのこと。YouTubeをはじめ、動画サイトでも鑑賞することはできるが、恐怖感を確認したい人は、こちらをクリックしてみて頂きたい。尚、心臓の弱い方はご遠慮頂き度く。もしかしたら、この物語の主人公と同様に、私自身もこの少女の美しさと怖さに少しずつ引き寄せられているのかも知れない。

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広島県出身、東京⇔大阪間の転勤を繰り返し、現在大阪在住。広島カープ・球場模型・艦船模型が好きなオッサンだが、アクアテラリウムの名人に出会ってから魅力にはまった。以前から興味のあった3Dカメラを購入し、立体的に(あくまで私的に)アクアテラリウムへのチャレンジを記録に残していくのであった。


 
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