3Dアクアテラリウム

立体写真による探訪記と恐竜ジオラマのアクアテラリウムと駄文のブログ

 

魂の伝承

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優勝パレード

先日、広島市街地で催された優勝パレードを訪れた。一昨年、マツダスタジアムで一緒に観戦した安佐南区の住む叔父さんと待ち合わせし、平和記念公園平和大通り沿いでパレードを見守った。優勝パレードは、西観音町電停東交差点東側から鶴見橋西詰までの約3kmをオープンカーとパレードバスで走行する。晴天の青空に中継のヘリコプターが7機飛び交い、地元のすべての民放テレビ局がパレード生中継番組を放映すると云う。想像を絶する人出だが、25年振りのリーグ優勝を祝うパレードは、混乱を招くような物々しさはなく、暖かい陽射しと笑顔に溢れ、沿道には31万3000人のファンが集まった。

広島東洋カープ初優勝パレード(1975.10.20)
広島カープ初優勝パレード(1975.10.20)

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衣笠祥雄・黒田博樹 レジェンドユニフォーム①(交差法)
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衣笠祥雄・黒田博樹 レジェンドユニフォーム①(平行法)

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衣笠祥雄・黒田博樹 レジェンドユニフォーム②(交差法)
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衣笠祥雄・黒田博樹 レジェンドユニフォーム②(平行法)

前回の優勝パレードが行われた1975年の人口92万人(2016年3月現在119万人)の広島市で、約30万人(県警発表)が詰めかけ沿道を人が覆った。パレードの道脇には、悲願達成を見届けずして亡くなった親族を偲んで、多く人が遺影を高々と掲げていた。その光景に感極まり涙に咽せた古葉監督が、後日、「広島市民の心が一つになる大きな祭りを確立して欲しい。」と懇願し、市民の祭典「ひろしまフラワーフェスティバル」が1977年から毎年開催されるようになる。衣笠祥雄の背番号3のユニフォームの上に黒田博樹の背番号15のユニフォームを羽織り、1975年以来のパレード(衣笠のユニフォームは1975年仕様とは異なるが)に想いを馳せて臨んだ。

広島東洋カープ優勝パレード(2016.11.5)
優勝パレード1優勝パレード2優勝パレード3優勝パレード4
優勝パレード5優勝パレード6優勝パレード7優勝パレード8

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優勝パレード 2016.11.5①(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5①(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5②(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5②(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5③(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5③(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5④(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5④(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑤(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5⑤(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑥(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5⑥(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑦(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5⑦(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑧(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5⑧(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑨(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5⑨(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑩(交差法)
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優勝パレード 2016.11.5⑩(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑪(交差法)
(平行法)
優勝パレード 2016.11.5⑪(平行法)

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優勝パレード 2016.11.5⑫(交差法)
(平行法)
優勝パレード 2016.11.5⑫(平行法)

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原爆ドーム・元安橋 2016.11.5(交差法)
(平行法)
原爆ドーム・元安橋 2016.11.5(平行法)

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広島本通 2016.11.5(交差法)
(平行法)
広島本通 2016.11.5(平行法)

パレード先頭のオープンカーには、緒方監督や黒田、新井が乗車しているとのことだが、車高が低くて残念ながら観ることが出来なかった。一方、2階建てのパレードバスに乗った選手は思った以上に近い距離で観ることが出来た。テレビの絶好のアングルで観るのも良いが、こうして実際パレードを目の当たりにすると“本当に優勝したんだ。”という実感が溢れてくる。パレード後はマツダスタジアムで優勝報告会と称するイベントが催されるが、事前に入場整理券を入手する必要があるので入場は諦め、叔父さんの家を訪れ、近所で家族の方と一緒に昼食を食べた後、叔父さんの家のテレビで優勝報告会の中継番組を観ることにした。

広島東洋カープ優勝報告会
優勝報告会
広島カープ 優勝報告会 黒田・新井・菊池胴上げされる黒田優勝報告会でマウンドの前でひざまずく広島の黒田博樹投手優勝報告会でマウンドの前でひざまずく広島の黒田博樹投手2優勝報告会でグランドを去る広島の黒田博樹投手

優勝報告会では今シーズン限りで引退する黒田が、満面の笑みでナインから背番号15と同じ15回胴上げされた。チームメート一人一人と抱擁を交わして引き揚げた後、黒田は誰もいないマウンドの前でひざまずき、3万810人の大観衆の前で33秒間瞑想し、感極まって込み上げる熱いものを抑えきれず涙を拭う仕草を見せた。スタンドも涙に暮れ、“ありがとう”の声援が鳴りやまなかった。黒田の大きな背中の15番が目に焼き付き、思わず目頭が熱くなった。マウンドに別れを告げて立ち上がるとベンチ向かって歩き出し、B’zが“アメリカから帰って来たサムライ”をイメージして、黒田に捧げた曲「RED」が流れる中、グラウンドを後にした。

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マツダスタジアム 2016.11.5①(交差法)
(平行法)
マツダスタジアム 2016.11.5①(平行法)

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マツダスタジアム 2016.11.5②(交差法)
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マツダスタジアム 2016.11.5②(平行法)

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マツダスタジアム 2016.11.5③(交差法)
(平行法)
マツダスタジアム 2016.11.5③(平行法)

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マツダスタジアム カープロード 「カープの星」山本一義レリーフ(交差法)
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マツダスタジアム カープロード 「カープの星」山本一義レリーフ(平行法)

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マツダスタジアム カープロード スロープ(交差法)
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マツダスタジアム カープロード スロープ(平行法)

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マツダスタジアム カープロード 赤いローソン カープ祝V7カー(交差法)
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マツダスタジアム カープロード 赤いローソン カープ祝V7カー(平行法)

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マツダスタジアム カープロード 黒田パネル(交差法)
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マツダスタジアム カープロード 黒田パネル(平行法)

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山陽本線からのマツダスタジアム 2016.11.5(交差法)
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山陽本線からのマツダスタジアム 2016.11.5(平行法)

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尾道駅前渡船 2016.11.5(交差法)
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尾道駅前渡船 2016.11.5(平行法)

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尾道水道夕景 2016.11.5(交差法)
(平行法)
尾道水道夕景 2016.11.5(平行法)

テレビ中継終了後、私の実家の尾道に向かうため、叔父さんが広島駅まで送ってくれたが、黒田の最後の姿が心に残り、余韻に浸りたくてマツダスタジアムで降ろしてもらった。既に球場内は飾り付けの解体作業を始めており、おそらく優勝報告会が終了して一時間程度は経過している筈だが、大勢のファンがまだ残っていた。マツダスタジアム周辺は勿論だが、広島の街は子供からお年寄りまで遠方からでも堂々とカープのユニフォームを身に纏い、看板や垂れ幕、電車の外装など至る処でカープが溢れており、球団と都市が一体化していることを感じられる。尾道までの在来線の車内のみならず、実家への最終の交通機関となる駅前渡船でも赤いユニフォーム姿の人が見られた。

新たに2016年のリーグ優勝記録が刻まれた勝鯉の森 記念碑
勝鯉の森 記念碑除幕式

レギュラーシーズンを89勝52敗2分けの勝率.631という球団史上最高成績でリーグ優勝を達成した今シーズンの我が広島東洋カープは、32年振りの日本一を目指してポストシーズンに臨んだが、残念ながら、北海道日本ハム ファイターズとの日本シリーズを制することが出来ず、2勝4敗で幕を閉じた。期待が大きかっただけに随分落胆したが、2016年の日本プロ野球は、マツダスタジアムの試合で締め括られたことへの歓びをあらためて噛締めながら回想してみることにした。

【CSファースト第3戦】DeNAファイナルシリーズ進出
【CSファースト第3戦】DeNAがファイナルシリーズ進出

25年振りにセ・リーグ優勝を果たしたカープは両ステージを通じて初めてマツダスタジアムでの開催となる。11年振りにAクラス入りを果たした横浜DeNAベイスターズは初めての出場となる。ファーストステージは、レギュラーシーズン2位の読売ジャイアンツと3位のDeNAが3戦2勝先取制で争い、レギュラーシーズンの最後の巨人2連戦に圧勝したDeNAは勢いを保った状態でシリーズに突入した。菅野が離脱して投手陣に不安がある巨人との接戦を粘り勝ったDeNAは、2勝1敗で2013年のカープ以来となる3位からのファイナルステージ進出を果たした。

DeNAがCSファイナルステージ進出
【CSファースト第3戦】DeNAがファイナルシリーズ進出

ファイナルステージは、レギュラーシーズン1位(1勝分のアドバンテージ)のカープとファーストステージ勝者のDeNAが6戦4勝先取制で争い、勝者が日本シリーズへの出場権を得る。カープがペナントレースを独走したことで、“クライマックスシリーズ制度の是非”について語られる機会が多かったが、本拠地 マツダスタジアムで全試合を戦うカープにとってのカギは、“ペナントレースを独走した優勝球団として勝率5割に満たない球団には必ず勝たなければいけない”というプレッシャーを払拭し、レギュラーシーズン同様に本拠地での強さを発揮する戦い方ができるか否かがポイントとなる。戦いに臨む日、キャンプから優勝に至る軌跡を編集したビデオを黒田がサプライズで用意し、選手全員が見て士気を高めている。

CSファイナルステージ 広島東洋カープ vs DeNA横浜ベイスターズ
CSファイナル 広島東洋カープ vs DeNA横浜ベイスターズ

第1戦 ○広島 5-0 DeNA●(マツダスタジアム)
先発のジョンソンは2塁を踏ませないピッチングで9回を被安打3の好投で完封し、ファーストステージからのDeNAの打線の勢いを封じた。野手では先頭打者の田中が3安打と攻撃の起点になり、後続もこれに続いてチャンスに確実に点を重ね、アドバンテージの1勝と合わせ2勝とした。DeNAのモスコーソも力投したが3回・7回のピンチで踏ん張れず、味方の援護も無かった。6回の打席で負傷交代となったルナは「右肩関節唇損傷と右肩鎖関節捻挫で全治3ヶ月」と診断され、翌日登録を抹消された。

【CSファイナル第1戦】ジョンソン3安打完封
【CSファイナル第1戦】ジョンソン完封

第2戦 ○広島 3-0 DeNA●(マツダスタジアム)
先発の野村が何度かピンチを迎えても要所を上手く切り抜け、今村・ジャクソン・中崎と勝利の方程式の継投で横浜打線を見事2試合続けて0点で抑え、連夜の完封勝利を収めた。DeNAは第1戦同様、ロペス、筒香の主軸が完全に押さえ込まれた。丸が先制のタイムリーを含む2打点を挙げ、昨日絶好調だった田中は、1回、3回にヒットや四球で得点に絡むと、8回にはソロホームランと連日の活躍を見せ、安定した戦い方で連勝し、早くもファイナルステージ突破に王手を掛けた。

【CSファイナル第2戦】田中 ホームラン
【CSファイナル第2戦】田中 ホームラン

第3戦 ●広島 0-3 DeNA○(マツダスタジアム)
2試合連続で完封負けを喫して後がないDeNAが一矢を報う意地を見せた。初回から毎回ランナーを出していたDeNA打線だったが、4回に遂にエリアンが先発の黒田から2ランホームランを放ち、ファイナルステージ22イニング目にしての初得点を挙げた。5回にも左手指を骨折しながらも出場している梶谷のタイムリーで貴重な追加点を上げ3点差とし、井納が7回を3安打に抑える好投や8回裏のピンチも守備陣の奮闘もあり無失点に凌ぎ、カープのクリーンアップも無安打に封じられ、3連勝での日本シリーズ進出とはならなかった。

【CSファイナル第3戦】黒田 エリアンに先制ホームランを浴びる
【CSファイナル第3戦】黒田 エリアンに先制ホームランを浴びる

第4戦 ○広島 8-7 DeNA●(マツダスタジアム)
カープは1回裏、エルドレッドの3ランホームランなど打者一巡の猛攻で6点を先制した。DeNAの先発はカープに相性の良い今永だったが、初回で既にマウンドから引きずり下ろされた。DeNAも2回・3回に2点ずつを返すもののカープも中押し点を加点した。DeNAは諦めずに1点差まで詰め寄って逆転も射程圏内に追い込んだが、8回からジャクソン、最終回は中崎の継投で逃げ切った。1番打者 田中はシリーズ通算で打率.833の活躍でチームを牽引し、本塁打王と打点王の二冠に輝いたDeNAの筒香を4試合で僅か1安打に封じたことが勝因に繋がり、初のファイナルステージ突破で日本シリーズ進出を決めた。

【CSファイナル第4戦】中崎が筒香を三振に打ち取りゲームセット
【CSファイナル第4戦】ゲームセットの瞬間

CSファイナルステージを突破し、日本シリーズ進出を決めたカープ
CSファイナルステージを突破し、日本シリーズ進出を決めた広島ナイン握手する緒方監督とラミレス監督CSファイナルステージを突破したカープ

昨シーズン最下位であったDeNAだが、ラミレス監督の初年度采配により大躍進した。アレックス・ラミレス(Alexander Ramón Ramírez)はヤクルト~巨人~DeNAで日本球界通算2000本安打を達成したが、DeNA退団後は群馬のシニアディレクター~オリックス バファローズ3ヶ月契約巡回アドバイザーを務めた後、中畑監督の後任としてDeNAから白羽の矢が立ち、監督就任を要請された。外国人監督である故、コミュニケーション面など不安視されたが、先発投手が揃って投手陣は充実し、日本の4番打者に成長した筒香をはじめ自前の選手の成長により、11年振りのAクラス入りを果たした。本音を云えば開幕前には脅威を感じなかったが、今シーズン、最もカープを苦しめた相手はDeNAであり、カープ同様、選手育成を貫いて健闘したDeNAには、互いに低迷期を乗り越えた対決に万感胸に迫るものを感じる。

【パ・リーグ CSファイナル】大谷クローザー 165km/h
【パ・リーグ CSファイナル】大谷クローザー km/h

一方、パ・リーグのファイナルステージは、日本球界に衝撃を与えた。北海道日本ハムファイターズは4点差を逆転し、最後はクローザーとして登場した大谷が、圧巻の投球で劇的に締めたのである。王手をかけた第5戦に3番・DHで先発出場した大谷が、9回にDHを解除してストッパー登板し、自身の164km/hの日本最速を更新する165km/hを出し、まるで劇画のヒーローのように、マウンド上で日本シリーズ進出のガッツポーズを見せた。カープに一日遅れて日本シリーズ進出が決まった日本ハムだが、大谷の165km/hのスピード記録の話題に世間の注目が拐われた。

緒方監督・栗山監督(左)/SMBC日本シリーズ2016公式プログラム(右)
緒方監督・栗山監督SMBC日本シリーズ2016公式プログラム

日本ハムは、福岡ソフトバンクホークスとの最大11.5ゲーム差を歴史的な大逆転劇によってパ・リーグを制し、クライマックスシリーズでも返り討ちにした。セ・リーグ覇者のカープとの対決となる今年の日本シリーズは初顔合わせであり、カープは1991年(VS西武ライオンズ)以来32年振り4度目、日本ハムは2012年(VS読売ジャイアンツ)10年振り3度目の日本一を賭けて雌雄を決する時を迎えた。

黒田引退会見(左)/練習中に選手や関係者に辞意を伝える黒田(右)
黒田引退会見練習中に選手や関係者に辞意を伝える黒田

日本ハムとの日本シリーズ対決が確定し、後日、黒田は日本シリーズ終了後に現役を引退すると発表した。今季、野茂に続く史上2人目の日米通算200勝を達成、シーズン10勝(8敗)し、メジャー時代を含め7年連続2桁勝利をマークし、投手陣の精神的支柱として25年振りの優勝に大きく貢献した。全体練習の前、円陣の中心に立った黒田は「日本シリーズを最後にユニフォームを脱ぐことに決めました」とチームメートに報告し、会見では「選手にもファンにも最後の真剣勝負の前に伝えないといけない」として、日本シリーズ直前のタイミングでの発表の理由を説明した。

ドジャース時代に頭部に打球受けた黒田
Hiroki Kuroda Hit in head

黒田がドジャース時代に打球を受けて生死を彷徨った際の首痛は慢性化し、ファイナルステージ登板3日前にはキャッチボールの途中で肩が上がらなくなり、登板回避も検討される程、既に満身創痍の状態であった。選手では新井にだけ事前に打ち明け「もう1年やらないんですか?」と慰留されたと云うが、最後は意思が尊重されたという。黒田はチームメートの前で「最後は笑顔で皆でもう1回ビールかけができたらいい」と語りかけた。それを実現すべくチーム一丸で必勝を期して日本シリーズに挑む。

Carp vs Fighters

三大都市圏に本拠地を置かない球団の対戦は日本シリーズ史上初であり、マツダスタジアムと札幌ドームは直線距離で1,231km離れており、これは2006、2007年の中日(ナゴヤドーム)と日本ハム(札幌ドーム)の約952kmを上回り、最も遠距離の日本シリーズとなる。今季のカープはホームで51勝20敗1分けの勝率.718と圧倒的な強さを見せ、日本ハムもホームで45勝24敗2分けの勝率.652と両チーム共に本拠地での戦いに滅法強い。マツダスタジアムを真っ赤に埋め尽くしたカープファンと札幌ドームのファンの熱狂は、日本シリーズでもチームを鼓舞し、試合展開にも大きく影響することが予測される。今季のチーム成績に目を向けると、両チームともに他チームを走行守すべてにおいて凌駕していた。

【広島東洋カープ】
打率.272・本塁打153本・盗塁118・得点684・防御率3.20・失点497
広島東洋カープ 2016年セ・リーグ制覇CARP2016.jpg

【北海道日本ハムファイターズ】
打率.266・本塁打121本・盗塁132・得点619・防御率3.06・失点467
日本ハム 2016年パ・リーグ制覇FIGHTERS2016.jpg

カープの各部門のチーム成績はすべてセ・リーグトップ。日本ハムは本塁打と得点だけはリーグ2位だが、他の部門ではリーグトップで、互いに攻・走・守に優れた選手を揃え、先発・中継ぎ・抑えという勝利の方程式を確立している。共に外国人以外は自前で育てたレギュラー選手が並ぶなど共通点が多い。カープのレギュラー選手も若いが、日本ハムのレギュラー選手の方が少し若く、“寿司ポーズ”のレアードも29歳と外見よりも意外に若い。大きな違いは、カープは監督采配を含め、日本シリーズを殆ど経験しておらず、日本ハムは、2006年、2007年、2009年、2012年に日本シリーズに出場しており、メンバーでは、陽、中田、田中らが大舞台の経験がある。

大谷入団発表での栗山監督
大谷入団発表での栗山監督

日本ハムの栗山監督に対しては、以前から他者に無い才能を感じていた。選手として際立った成績を残さなかったが、爽やかな語り口調や説明の旨さで、野球解説者として人気を博し、日本ハムから白羽の矢が立ち監督に就任した。当時は前出のラミレス以上に監督適性を疑問視したが、初年度でリーグ優勝を果たして度肝を抜かれた。印象として、勝負勘、試合展開における嗅覚に優れ、大胆且つ繊細な采配は、栗山監督が最も尊敬する三原脩の監督時代の異名である“魔術師”の如く異彩を放っている。大谷の“二刀流”は絶えず是非を論じられるが、大谷の才能を信じて疑わない栗山監督の信念は、今シーズン初めて“批判や話題”から、見事に“最大の武器”に変貌させた。カープが最も警戒すべきは、栗山監督の采配なのかも知れない。

MAZDA ZOOM-ZOOM スタジアム 広島での日本シリーズ開幕戦
日本シリーズ2016 マツダスタジアム

日本シリーズはマツダスタジアムでのナイトゲームからスタートとなる。メジャーリーグテイストの総天然芝のマツダスタジアムの空撮映像は、夕景の都市の光も相まって、ワールドシリーズの中継映像のような雰囲気が醸し出され、例年のドームや人工芝のスタジアムとは違う光景は際立って美しい。開場以来、初めて行われる日本シリーズは何よりも相応しい舞台のようにも思える。オープニングセレモニーでは、両チームの選手がラインに沿って整列し、広島出身の吉川晃司の国歌斉唱、紫綬褒章受章と国民栄誉賞受賞した女子レスリング選手の伊調馨による始球式によって日本シリーズはスタートした。

日本シリーズ オープニングセレモニー
レスリング伊調馨、日本シリーズ開幕戦始球式日本シリーズ オープニングセレモニー

第1戦 ○広島 5-1 日本ハム●(マツダスタジアム)
カープ先発はシリーズ直前に沢村賞を受賞したジョンソン、日本ハムは“リアル二刀流”大谷で日本シリーズが始まった。最速165km/hを誇る大谷では得点チャンスは少ないと捉え、カープは足を絡めて攻めた。2回、先頭の鈴木は四球を選び、1死後、安部の右前安打で1塁・3塁とした。石原は、初球と4球目の2度、スクイズを試みるも鋭いスライダーにバント失敗し、結局、空振り三振を喫した。チャンスは潰えたかに見えたが、安部が盗塁を試みた際、大野が2塁へ送球後、大谷が送球カットサインを見逃したことを確かめてから、3塁走者の鈴木がスタートを切りダブルスチールが成功した。先制点に拘ったカープの本領発揮となった。

【日本シリーズ第1戦】ダブルスチールによる先制点
【日本シリーズ第1戦】ダブルスチール

公式戦で投手と打者を両立する大谷の“リアル二刀流”は奇しくも2013年6月18日マツダスタジアムでのカープとの交流戦が最初であった。その試合、大谷はプロ初本塁打を浴びており、歴史は繰り返された。2回に1点を先制した広島は、4回先頭の松山に2ボールからの155km/hが真ん中に入り、打球は右中間席へ運ばれた。松山には3年前も一発を浴びており、奇しくも初被本塁打という因縁の相手である。

【日本シリーズ第1戦】松山ホームラン
【日本シリーズ第1戦】松山ホームラン

大谷は悔しさから口を真一文字に結び、赤い波がうねる右翼のパフォーマンスシートを凝視する。1死後、今度はエルドレッドに150キロを中堅右に運ばれ3点のリードを奪われた。大谷にとって1イニングは勿論、1試合2本塁打も今季初の被弾であった。ジョンソンは7回にレアードのホームランで1点を献上するが、カープはそのすぐ裏に丸のタイムリーヒットやエルドレッドの犠牲フライなどで2点を追加して試合を決めた。カープは難攻不落の大谷を攻略し、幸先のよい滑り出しとなった。

【日本シリーズ第1戦】広島先勝
【日本シリーズ第1戦】広島先勝

第2戦 ○広島 5-1 日本ハム●(マツダスタジアム)
カープは2回に小窪のタイムリーヒットなどで先制したが、4回にエラーで同点に追いつかれた。試合が膠着状態に入っていた6回無死2塁、ファーストの猛チャージの裏をかいた菊池のバスターの打球は、大きく空いた三遊間を抜いた。レフトの西川の好返球によるホームでのクロスプレーに対し、球審は“アウト”の判定だったが、ビデオ判定によってセーフへと覆った。複数のカメラで確認すると、田中は捕球直後の捕手・大野のミットを掻い潜ってホームインしており、完全にアウトと思われたプレーは確実なセーフであった。

【日本シリーズ第2戦】菊池 バスターエンドラン(左)/田中 ホームでのクロスプレー(右)
【日本シリーズ第2戦】菊池 バスターエンドラン【日本シリーズ第2戦】田中 ホームでのクロスプレー

1つの判定が試合の流れを決める典型的な展開となる。増井はビデオ判定で3分ほど待たされたのが地味に効いた。試合再開直後、丸はいきなりセーフティバントを敢行し、増井は一塁に悪送球によって追加点をもぎ取り、増井自身も降板することになった。バッテリーエラーからの鈴木の犠牲フライで追加点が入り、バッテリーが外角高めに外した球をエルドレッドがジャスミートして完璧なホームランで止めを刺した。

【日本シリーズ第2戦】エルドレッド 2試合連続ホームラン
【日本シリーズ第2戦】エルドレッド ホームラン

結局試合は、野村祐輔が相手をエラーの1点に抑えて6回2安打ピッチング。続く今村・ジャクソン・中崎もランナーは出したが、後続を完璧に抑えた。9回表1アウト1塁・2塁での代打・大谷のシーンは一段と盛り上がり、ホームランが出れば1点差となる場面だったが、中崎は大谷のインコースに見事なストレートを投げて空振り三振に打ち取った。大谷も窮屈そうではあるがフルスイングした。カープの試合内容は、2戦とも完勝だったが、投手陣がほぼ完璧に日本ハム打線を抑えた(18イニングで自責点1)からこそ際立っていた。

【日本シリーズ第2戦】代打大谷三振
【日本シリーズ第2戦】代打大谷三振

広島東洋カープ 日本シリーズ移動チャーター機 ジャパンエア4921 J-AIR ERJ-170
広島東洋カープチャーター機 ジャパンエア4921 J-AIR ERJ-170

カープは札幌への移動に日本航空(JAL)のチャーター機を手配し、諸経費を含め往復で約1,000万円を掛けて、体調管理を最優先にした準備を進めてきた。球団関係者による万全の状態でシリーズに臨ませる配慮は、日本一に賭ける意気込みを感じる。6・7戦目に備えて移動日の28日に広島に戻る便も既に予約しており、4連勝で一気に日本一となれば、チャーター機の出発日まで一日余るため、その際は“北海道プチ優勝旅行”&“黒田慰労会”との記事を読んで、余裕が油断に繋がる懸念を感じた。一方、栗山監督は第3戦先発の黒田を大横綱 千代の富士に見立て、貴乃花に負けて世代交代したように大谷らの若手が黒田に引導を渡して反撃の狼煙(のろし)を上げることを期待するコメントを発した。

北海道日本ハム ファイターズ

第3戦 日本ハム○ 4-3 広島●(札幌ドーム)
戦いの場を札幌に移しての日本シリーズ第3戦は、引退を発表した黒田がマウンドに立ち、初回一死2塁3塁から中田の内野ゴロの間に日本ハムに先制を許した。しかし、2回のカープはエルドレッドが3試合連続となる2ランホームランで逆転した。黒田は手元で動く球をコーナーに投げ分け好投したが、この試合2打席連続で安打を浴びた大谷をレフトフライに打ちとった直後の6回1死時点で両足のふくらはぎが攣り、一旦ベンチ奥でテーピングをして、マウンドに戻って投球練習をしたが、交代を申し出て被安打4本で降板した。

【日本シリーズ第3戦】黒田vs大谷
【日本シリーズ第3戦】黒田vs大谷

引退を表明した黒田の最終登板になる可能性もあり、どうしても勝ちたい一戦だった。黒田は緊急降板したが6回途中まで1失点の内容で、1点リードを守る体制に入った。しかし、へーゲンズへの継投で逃げ切りを図りながらも守備固めを徹底できず、松山がスライディングキャッチを試みるも後逸して逆転の2点を献上した。カープは敗戦濃厚であったが、9回2アウトから安部のタイムリーで追いつき粘りを見せた。9回から2イニング目の大瀬良は久しぶりの登板にも拘らず好投し、石原の要求するコースに投げてスピードもあった。サヨナラのランナーとなった西川への四球も、突然3球コントロールが乱れたものの、最後は際どいコースがボール判定だったものだ。

【日本シリーズ第3戦】松山スライディングキャッチを試みるも後逸
【日本シリーズ第3戦】松山後逸

10回、勝負を決めたのは3番DHの大谷だった。ランナー2塁で大谷を迎えたカープは、カウントが悪くなるまでは、ボール気味に際どいコースを突く選択だった筈だが、大谷は足を踏み込んで腰を引き、内角ボール球を捌くような打撃でサヨナラヒットを放った。中継解説のカープOBの前田智徳が、「何なんですか?これは…」と驚嘆した。今季カープは、黒田が石原に教授した内角攻めが功を奏しており、大谷は交流戦のカープとの対戦でその印象を抱き、第2戦でも中崎の内角の際どいコースのストレートに窮屈なスイングで三振を喫したことも意識したかも知れない。大谷は初戦の借りをバッティングで返し、日本ハムにシリーズ初勝利をもたらした。

【日本シリーズ第3戦】大谷サヨナラタイムリーヒット
【日本シリーズ第3戦】大谷サヨナラタイムリー

第4戦 日本ハム○ 3-1 広島●(札幌ドーム)
カープは4回にエルドレッドの打ち上げたフライをライト・近藤が目測を誤り落球している間に1塁ランナーの新井が長駆ホームインするラッキーな先制の1点を奪う。これに対しカープ先発の岡田は序盤に直球の制球に苦しみ、2回には2四球を出した。しかし比較的安定してきたスライダーの前に5回までチャンスを作りつつも得点を奪えなかった日本ハム打線は、6回に4番・中田がソロホームラン一発で同点に追いつく。

【日本シリーズ第4戦】近藤 ライトフライ落球
【日本シリーズ第4戦】近藤 ライトフライ落球

8回には2死一塁から、レアードは広島の3番手・ジャクソンの甘く入ったスライダーを捉えた。第1戦に本塁打を放って以降は、2試合で8打数1安打。この日も第3打席まで無安打だったレアードは、初球から続いた外角攻めの投球の中で根気強く打てる球だけに狙いを絞り、バックスクリーン左へ放り込んで試合を決めた。各々のチームが本拠地でのゲームに勝利する“内弁慶シリーズ”の様相を呈する展開となり、2勝2敗のタイに持ち込んだ。

【日本シリーズ第4戦】中田 同点ホームラン
【日本シリーズ第4戦】中田 同点ホームラン

日本シリーズでは、ジャクソンがレギュラーシーズン通りに抑え切れておらず、4連投のジャクソンが3人で切り抜けたのは第2戦のみであった。第1戦ではランナーを二人出して、近藤にセンターへ大きな打球を放たれた(丸が好捕)。第3戦でも、先頭バッターを四球で歩かせて、中田の逆転タイムリーを打たれた。レアードに打たれたホームランも甘いコースに入ったスライダーである。シーズンでは盤石の成績であったジャクソンだけに9失点中4失点がというのは痛い。カープとしては、3・4戦を勝利の方程式が崩されての敗戦となれば修正することも困難となり、この先の戦い方に不安が募ってしまう。

【日本シリーズ第4戦】【日本シリーズ】レアード 勝ち越し2ラン
【日本シリーズ第4戦】【日本シリーズ】レアード 勝ち越し2ラン

第5戦 日本ハム○ 4-3 広島●(札幌ドーム)
2勝2敗で迎えた第5戦、この試合の勝者が日本一に王手を掛ける試合となる。昨日に引き続き先制したのはカープであった。初回、鈴木のタイムリーヒットで1点を奪い、その後両チームとも得点がないまま7回まで進むが、7回裏に日本ハムが岡の犠飛で同点に追いつく。1-1の均衡のままで延長戦へ突入かとも思われたが、9回裏に試合は急展開する。日本ハムは一死からフォアボール、内野安打、送りバント、死球で満塁となる。中でも岡が受けた死球を巡って両軍のベンチがグラウンドに飛び出し、一触即発ムードとなったことで中崎は動揺し、厳しく内角を突けない心理状態に陥った。

【日本シリーズ第5戦】岡の犠牲フライで同点に追いつく
【日本シリーズ第5戦】岡の犠牲フライで同点に追いつく

続く西川が日本シリーズ史上でもまだ2回目となる劇的な満塁サヨナラホームランで勝利し、日本一に王手を掛けた。一方、広島カープは札幌で3連敗を喫し、窮地に追い込まれた。困惑と絶望が入り混じった前出の解説の前田智徳が「はぁ?ホームランはないだろぉ…」と思わず絶句した。ここまでを簡単に振り返ってみると、広島での2試合はカープが完勝、札幌ドームでの3試合は日本ハムが粘り強さを見せてすべて逆転勝ちした。ここまでホームチームがすべて勝っており、完全に“内弁慶シリーズ”の展開となった。投手陣も第5戦先発の加藤以外は好投しており、とくに中継ぎ陣は3試合で1点しか取られていない。

【日本シリーズ第5戦】岡 死球に激怒
【日本シリーズ第5戦】岡 死球に激怒

一方、カープは先発投手陣は好投を続けているものの、僅差のリードを守りきれず、シーズン中は盤石だったリリーフ陣が打たれて3試合を落とした。札幌では打線も湿りがちとなり、3試合で5得点だが、ひとつはエラーによるものなので、実質的には4点しか取れていない。試合の序盤はカープが優位に進め、終盤に日本ハムが追いつきひっくり返すという3試合だった。シーズンでは、今村もジャクソンも4連投が最多で、日本シリーズでは1日移動日があったとは云え、5連投は初めてとなる。3~5戦目を観ていると、紙一重の展開だが、カープの中継ぎが打ち込まれたのは、1~2戦の采配が地味に影響していると感じられた。

【日本シリーズ第5戦】西川サヨナラ満塁ホームラン
【日本シリーズ第5戦】西川サヨナラ満塁ホームラン

札幌ドームは、世界唯一のサッカーと野球のプロチームの本拠地で、スポーツやコンサートなど、多彩なイベントを行う日本最北の全天候型ドームである。寒冷地の北海道でプロ野球チームの誘致を可能にし、札幌ドーム移転後、日本ハムは顕著に強くなり、東京ドーム時代よりも大幅に観客が増加した。マツダスタジアムとは対照的な球場で、黒い座席が並ぶスタンド、高く聳えるフェンス、不自然な色彩の人工芝、野球の試合が映し出される空間に違和感を覚え、個人的にはあまり好きではない。結果的に3連敗を喫してカープ球団史上日本シリーズ未勝利の唯一の球場となり、その印象が強くなったかも知れない。こうなれば“内弁慶シリーズ”として割り切り、地元広島での巻き返しに期待したい。

日本シリーズ2016 札幌ドーム
日本シリーズ2016 札幌ドーム日本シリーズ2016 札幌ドーム1日本シリーズ2016 札幌ドーム2

第6戦 ●広島 4-10 日本ハム○(マツダスタジアム)
日本ハムが王手で迎えたこの日本シリーズの第6戦は、再度、広島に戻って争われた。第5戦のサヨナラ勝ちの勢いを維持して攻め込む日本ハムは、試合開始直後の野村の初球を先頭の西川が三塁打を放ち、岡がタイムリー内野安打で1点を先制する。一方のカープは2回無死2塁3塁のチャンスに暴投やエラーなどで2点を奪って逆転し、札幌から続いた嫌な流れを断ち切る雰囲気が漂った。

【日本シリーズ第6戦】丸 追撃のホームラン
【日本シリーズ第6戦】丸 追撃のホームラン

日本ハムは増井を3回で降板させて勝負に出た。それは中継ぎへの信頼の厚さもあったが、戦況のなかでの臨機応変な対応でもあった。そして4回、完全にスイッチが入った西川のタイムリーヒットなどにより、日本ハムは一挙に3点を奪う再逆転で再び流れを戻した。後がない広島は5回に丸のソロホームラン、6回に下水流のタイムリーヒットと堅実に得点を重ねて同点へと喰らいつき、勝負を振り出しに戻した。第6戦に勝てば、第7戦には引退する黒田が先発となり花道を飾ることができるという想いもあり、カープも必死に粘った。

【日本シリーズ第6戦】投手のバースがタイムリーヒット
【日本シリーズ第6戦】バース タイムリーヒット

勝負は、8回表2アウトから決まった。6連投のジャクソンが2死無走者から崩れ、西川、中島、岡に3連打を浴びて満塁となる。中田の打席の際、ネクストバッターサークルに大谷を立たせ、勝負どころで強烈なプレッシャーを掛けてきた。中田には4球連続ボールで押し出しとなり、結局、代打は告げずピッチャーのバースが打席に立ち、タイムリーを放った。続くレアードは、甘く入ったスライダーを豪快に振り抜き、打球は左中間席へと消える満塁本塁打となった。白球の到達点を確認すると、2年目の陽気な助っ人は会心の手応えが残る右手を掲げた。唖然として声も出ず唯々テレビ画面を静視するのみであった。

【日本シリーズ第6戦】レアード満塁ホームラン
【日本シリーズ第6戦】レアード満塁弾

レアードのグランドスラムで一挙に6点の大差がつき、勝負が確定してから試合終了までの暫くが、落胆しつつも冷静に敗戦を受け入れる時間となり、カープの今季の戦いは終了した。日本ハムが10年振り3度目の日本一輝き、栗山監督がマツダスタジアムで胴上げされ、インタビューを受ける場面も冷静に見届けることが出来た。粘って追いついたが、2死無走者からの一挙6点が強烈過ぎて“完敗”を徐々に理解する思考に変化し、栗山監督の采配が秀逸であったことを冷静に勝負の節目ごとに痛感できた。

日本ハム 栗山監督胴上げ(左)/敗退して静まり返るカープナイン(中)/日本シリーズ表彰選手(右)
日本ハム 栗山監督胴上げ日本シリーズを敗退し、静まり返る広島ナイン日本シリーズ表彰選手

今年の日本シリーズの注目度が高かった。メジャーからカープに復帰しリーグ優勝に貢献した後、潔く引退を表明した黒田や、野手と投手の二刀流として成功し、日本最速の球速を誇る大谷が話題を集め、地方球団の頂上決戦ではあったが、全国のプロ野球ファンを沸かせた。カープは戦力的には決して引けを取らず、日本シリーズを制するチャンスも大いにあったが、2連勝スタートから敵地での3連敗し、勢いを止められないまま本拠地で散った。短期決戦でのDH制に戸惑い、選手起用も信頼と決断の間で揺れ、脆さも出た。緒方監督は最後の最後に采配のタクトが鈍り、敵将の胴上げを目に焼き付ける悔しさを刻んだ。

日本シリーズに敗れたカープナインと黒田
日本シリーズに敗れた広島カープ日本シリーズ敗戦後の黒田と新井日本シリーズに敗退したカープ

カープにとって、日本シリーズの敗退は今後への糧となることを祈願する。マエケンが抜け、黒田も抜けて、カープは2年で先発投手2人を失うこととなる。若手投手陣が覚醒しないことには連覇はそう簡単ではなく、今シーズンの野村のような奮起や躍進が望まれる。打線は来年もそれなりの結果を出すだろうが、新井やエルドレッドも現役はそう長くはない。安部、堂林、野間らの準ギュラーらの飛躍を見据えた強化策が急務となるかも知れない。カープはこの悔しさを忘れないで欲しい。昨季4位の悔しさが、今季の25年振りのリーグ優勝を果たしたように。

日本シリーズの黒田と大谷
黒田と大谷黒田と大谷2

今季限りで引退する黒田は、第7戦に備えて登板準備をし、大谷との最初で最後の対決に期待が集まったが、幻となり登板は叶わなかった。黒田はカープに復帰しての2年間で、ポストシーズンを合わせて計5,100球を投じた。その背中を通して若手投手が成長し、チームは戦う集団に変貌して25年振りの悲願の優勝を果たした。

広島のエース 黒田と巨人の4番 松井の対決(左)/ヤンキースタジアムのセレモニーで再開した黒田と松井(右)
黒田vs松井黒田松井

嘗て広島のエースと巨人の4番として幾多の鎬(しのぎ)を削る対決を繰り広げてきた黒田と松井が、ヤンキースタジアムのセレモニーで再開した際、既に引退していた松井に対して、当時ヤンキース現役の黒田が「まだやれたのでは?」と訊くと「もうやりきった。」と答えた松井の言葉に選手としての引き際を熟考し、カープ復帰への決断にも影響を与えたと云う。“ミスター完投”の異名をとった黒田は、完投という自分のスタイルを貫けなくなったことを引き際と捉えて決断をした。

優勝報告会でマウンドの前でひざまずく広島の黒田博樹投手

海を渡った侍の帰還のストーリーは完結した。黒田のプロ20年間の現役で成し遂げられなかった日本一は後輩に託した。球団は黒田の背番号「15」を永久欠番にすると発表した。カープの永久欠番は山本浩二の「8」、衣笠祥雄の「3」に続く3例目となる。黒田博樹の背番号「15」は、メジャー移籍後の2008年から2014年まで、黒田が帰って来る想いを馳せて空けていたが、2015年に復帰して再び着用したことで、過去の永久欠番とは違うドラマがある。カープの永久欠番3名の共通点は、長い低迷期を乗り越えてチームに栄冠を齎したことである。黒田は「僕個人というよりも皆さんの背番号かなと思う」との言葉には、チームやファンへの感謝と同時にカープ魂の伝承が込められているのではないか。

広島東洋カープ 黒田博樹
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広島県出身、東京⇔大阪間の転勤を繰り返し、現在大阪在住。広島カープ・球場模型・艦船模型が好きなオッサンだが、アクアテラリウムの名人に出会ってから魅力にはまった。以前から興味のあった3Dカメラを購入し、立体的に(あくまで私的に)アクアテラリウムへのチャレンジを記録に残していくのであった。


 
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