3Dアクアテラリウム

立体写真による探訪記と恐竜ジオラマのアクアテラリウムと駄文のブログ

 

魅惑のアート「神の手●ニッポン展」

Edit Category 模型
神の手・ニッポン展第一期 神の手アーティスト近鉄アート館MAP

正月休み期間にあべのハルカス近鉄本店 ウイング館近鉄アート館で、1月2日~9日の期間で開催された「神の手ニッポン展」を訪れた。人間技とは思えない“神の手”を持つといわれる日本人アーティストの合同展覧会は、現代のセンスとフィールドで意欲的に創作活動を行ってきた作家たちの作品が一堂に集められ、アーティストの高度な技術に裏打ちされた作品群に、日本人ならではの手先の器用さや感性の豊かさが感じられる展覧会として注目され、東京・名古屋・九州でも開催されて、延べ11万人が来場している。

神の手・ニッポン展 パンフレット①神の手・ニッポン展 パンフレット②

この展示会開催を知ったのは奇遇であった。元々、模型好きの私は、一般的にドールハウスをはじめとするミニチュア模型分野に興味があり、和風テイストのミニチュアハウスの作家のサイトを閲覧するのが好きなのだが、ミニチュア工房「カサ・デ・トンタ」島木英文氏による超絶技工の作品群に辿り着き、他の作品にない趣きの作品に釘付けになったのである。「カサ・デ・トンタ」の公式サイトによれば、正月期間に家から程近い「あべのハルカス」で催される展示会に参加にしており、実物の作品を観ることができること知り、迷うことなく嫁さんと一緒に訪れることにしたのであった。

(交差法)
「神の手・ニッポン展」あべのハルカス(交差法)
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「神の手・ニッポン展」あべのハルカス(平行法)

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「神の手・ニッポン展」あべのハルカス 近鉄アート館(交差法)
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「神の手・ニッポン展」あべのハルカス 近鉄アート館(平行法)

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「神の手・ニッポン展」展示作品(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」展示作品(平行法)

大阪での開催となる今回の展示会に参加しているアーティストは、紙の魔術師ことペーパーアーティストの太田隆司氏、ビーズの織姫ことビーズアーティストの金谷美帆氏、前出の遠近法の匠ことミニチュアハウスアーティストの島木英文氏、立体切り絵のプリンセスこと立体切り絵アーティストのSouMa氏、情景王ことジオラマアーティストの山田卓司氏の計5人の作品を展示する。予定していたポップアップアーティストのHIROKO氏は、現在療養中のため辞退とのこと。会場内は撮影禁止だが、入場口付近に撮影用に5名のアーティストの作品が1点ずつ展示されていた。作品の殆どはWEBで閲覧できるが、立体写真に収めることができる唯一の展示コーナーとなる。


紙の魔術師 ペーパーアーティスト 太田隆司

「草むらのシンフォニー」
(交差法)
「神の手・ニッポン展」ペーパーアーティスト太田隆司「草むらのシンフォニー」①(交差法)
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「神の手・ニッポン展」ペーパーアーティスト太田隆司「草むらのシンフォニー」①(平行法)

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「神の手・ニッポン展」ペーパーアーティスト太田隆司「草むらのシンフォニー」②(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」ペーパーアーティスト太田隆司「草むらのシンフォニー」②(平行法)

「紙の魔術師」の異名を持つ。日本大学芸術学部デザイン学科在学時より自動車のイラストを描きはじめ、卒業後ペーパーアート作品に専念。自動車専門誌「CAR GRAPHIC」で「PAPER MUSEUM」の連載を開始する。テレビ東京の「TVチャンピオン」ペーパークラフト王選手権にて優勝するなど、多数の受賞歴を持つ。紙に命を吹き込むペーパーアーティスト、太田隆司氏の作品は、顔の表情から看板の文字に至るまですべて紙のカッティングで表現されている。紙を微妙に重ねるだけで絵を描く、という技術の作品には、車や人、時間が描かれている。映画の1シーンのようでもあり、下町のノスタルジックな雰囲気の作品は、全て紙で出来ている。

「草むらのシンフォニー」奥行き
ペーパーアーティスト太田隆司「草むらのシンフォニー」奥行き

太田隆司氏の作品は、平面でも立体でもない僅か17cmの奥行きに、カッターナイフで紙を切り抜き、重ね合わせて配置することで、優しさ、柔らかさ、繊細さなど、情景が見事に表現されている。ペーパークラフトは“紙工作”を想像するのだが、「紙」は平面の2次元で「立体」は3次元とすれば、2.5次元ということになる。横から見れば舞台セットさながらの張りぼてと補強の跡が見て取れる。平面のようで平面ではない、立体のようで立体ではない作品は、以前の記事でも紹介した立版古のようであり、組み上げた作品の立体感、パノラマ感によって臨場感溢れる “ハイクオリティ立版古”と言える作品である。

「東京下町 人を、暮らしをのせて」
ペーパーアーティスト太田隆司「東京下町 人を、暮らしをのせて」

「しあわせ待つ明日へ。新潟市 白山神社」(左)/「嫁ぐ朝」(右)
ペーパーアーティスト太田隆司「しあわせ待つ明日へ。新潟市 白山神社」 ペーパーアーティスト太田隆司「嫁ぐ朝」

一点透視図法を用いた遠近感と立体感で、精度高く作り込まれたペーパーアートがフレームの中に配置され、誰も踏み入れたことのない表現の世界を自らで切り開いて磨いてきた。ペーパークラフトと単純には括れない程、立体感のある紙のオブジェは、すべての作品にはクルマと人と犬を登場させて、爽やかな空間に仕立て上げるテクニックが感動を生む。豊かな表情を持った紙だけの人々、陰影までリアルに紙で表現されたクルマや街並み、電車などが、視界を覆う大きさの作品は3D映像で展開され、忠実にしかもドラマチックに創造された風景に様々な車が溶け込み、日本車、日本の風景のみならず、外国の風景、新旧様々な車が融合されている。

「東京雷門 西暦2007」(左)/浅草寺 雷門 実景(右)
ペーパーアーティスト太田隆司「東京雷門 西暦2007」 浅草寺 雷門

「映画館の記憶」(左)/横浜日劇 実景(右)
ペーパーアーティスト太田隆司「映画館の記憶」 横浜日劇

太田隆司とペーパーアート作品
ペーパーアーティスト太田隆司「映画館の記憶」

立版古などのペーパークラフトの特徴として、色彩ごとのピース分けが明確で、浮世絵などの作品との相性が良い。明確な色分けの作品が多く、必然的に鮮明な色彩でポップなイメージの作風となる。個人的な印象だが、学生の頃のFMラジオのエアチェックの必需品であった「FM STATION」という雑誌の表紙を飾る自動車や風景を鮮やかな色彩で表現したイラストの鈴木英人氏の作風にも通ずるイメージがあり、当時のオシャレな作風を懐かしく思い浮かべることも相まって、太田隆司氏の作品には「浅草寺の雷門」「伊勢佐木町の横浜日劇」も鮮やかな色彩でポップだが、不思議なノスタルジックテイストが漂う。

雑誌「FM STATION」(左)/鈴木英人イラスト カセットレーベル(中)/山下達郎 Performance 2002 Tour パンフレット(右)
FM STATION表紙 鈴木英人イラスト FM STATION 鈴木英人イラスト 山下達郎 Performance 2002 Tour パンフレット by 鈴木英人


ビーズの織姫 ビーズアーティスト 金谷美帆

「フィボナッチのバラ」
(交差法)
「神の手・ニッポン展」ビーズアーティスト鈴木美帆「フィボナッチのバラ」(交差法)
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「神の手・ニッポン展」ビーズアーティスト鈴木美帆「フィボナッチのバラ」(平行法)

「ビーズの織姫」の異名を持つ。学習院大学在学中、ミス鎌倉、ミス熱海梅の女王となり、ケーブルテレビアナウンサーを経て、1998年よりビーズ創作活動を始める。代表作として「総ビーズ織り和衣裳」(165万余粒使用した重量13kgの着物作品。宝生流能楽師 山内崇生によるシェークスピアのマクベスの能となる「新作能 マクベス」の衣装に採用 )、総ビーズ織り六曲屏風「鎌倉世界遺産登録絵図」(2009年世界一たくさんのビーズを使った平面のビーズ作品としてギネス世界記録認定。206万3,738粒使用)などがある。

「総ビーズ織り和衣裳 秋来」(左)/ギネス世界記録に認定された「総ビーズ織り六曲屏風 鎌倉 世界遺産登録絵図」(右)
ビーズアーティスト金谷美帆「和衣裳 秋来」 「世界一たくさんのビーズを使った平面のビーズ作品」としてギネス世界記録に認定された総ビーズ織り六曲屏風「鎌倉 世界遺産登録絵図」

「蝶」(左)/「織り絵巻 徳川家康」(中)/「飾り扇子 原爆ドーム」(右)
ビーズアーティスト金谷美帆「蝶」 ビーズアーティスト金谷美帆「織り絵巻 徳川家康」 ビーズアーティスト金谷美帆「飾り扇子 原爆ドーム」

金谷美帆とビーズアート作品
ビーズアーティスト金谷美帆 作品群

ニューヨークへの旅行中にアメリカ工芸美術館で催されたビーズクイーンと賞されるジョイス・スコット(Joyce J. Scott)の作品展を訪れ、アートへの閃きを感じて以来、運命の糸に手繰り寄せられるようにビーズ織りの基礎を学び独立した。アクセサリー、ビーズ織りバック、額絵、ビーズ織り和衣装などのアート作品などデザイン、制作、販売するアートビーズクリエーターとして次々と大作を世に生み出してきた。ビーズの光沢が見る角度によって様々な趣きとなり、これらの作品も実物を観たときにしか味わえない迫力がある。

ジョイス・スコット(Joyce Scot)(左)/金谷美帆とジョイス・スコット(右)
Joyce Scott 金谷美帆とジョイス・スコット


遠近法の匠 ミニチュアハウスアーティスト 島木英文

「箱舞台 きじや」
(交差法)
「神の手・ニッポン展」ミニチュアハウスアーティスト島木英文「きじや」①(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」ミニチュアハウスアーティスト島木英文「きじや」①(平行法)

(交差法)
「神の手・ニッポン展」ミニチュアハウスアーティスト島木英文「きじや」②(交差法)
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「神の手・ニッポン展」ミニチュアハウスアーティスト島木英文「きじや」②(平行法)

(交差法)
「神の手・ニッポン展」ミニチュアハウスアーティスト島木英文「きじや」③(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」ミニチュアハウスアーティスト島木英文「きじや」③(平行法)

「遠近法の匠」の異名を持つ。山口県岩国市のミニチュア工房「カサ・デ・トンタ」は、一級建築士の島木英文氏が建物担当で、妻の啓子さんが小物を担当している。日本家屋をモチーフに1/20スケールで、「箱舞台」と称する木箱の中にリアルな空間を再現したミニチュアハウス(ドールハウス)は、規定の1/12スケールと異なるため、ドールハウス界の異端児と称されている。島木作品が独創的な理由は、建物内部(ミニチュアハウス)に奥行きを出すために、手前を1/20スケール、奥を1/24スケールにした透視図法による遠近法を採用し、奥に向かって徐々に幅が狭く、天井は低く、床は高くなるように作られている。ボックスの内部に設置されたライトの光が、自然光に見えるように緻密に計算され、屋外の庭園や町屋の中庭を見事に表している。

「箱舞台 きじや」
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「きじや」

山口 柳井 きじや 実景(左)/柳井の郷土民芸品「金魚ちょうちん」(右)
山口県柳井市「きじや」 山口県柳井市の郷土民芸品「金魚ちょうちん」

柳井の町割りは室町時代からのもので、約200mの街路に面した両側に江戸時代の白壁の商家の家並みが続く。藩政時代には岩国藩のお納戸と称され、産物を満載した大八車が往来して賑わった町筋は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。往時の面影を偲ばせる町並みで、柳井の郷土民芸品「金魚ちょうちん」柳井銘菓などを販売する「きじや」の実在の店の写真を見ればその再現クオリティに驚愕する。瓦、商品作り等、試行錯誤の中で、奥行き感の演出、覗き込む面白さへの気付きが、遠近法の採用に繋がる転機となった作品と云われる。

「箱舞台 ヘルン(小泉 八雲)旧居」(左)/島根 松江 ヘルン(小泉 八雲)旧居 実景(右)
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「ヘルン(小泉 八雲)旧居」 ヘルン(小泉 八雲)旧居

怪談「耳なし芳一」や「雪女」などの著作で知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と元松江藩士の娘セツが、約5ヶ月間新婚生活を過ごした邸宅を再現したミニチュアハウス作品である。ギリシャ生まれのイギリス人文学者の八雲は、翻訳、紀行、随筆、文芸批評、民俗学などの分野で、偏見なく好意的に当時の日本を広く世界に紹介した。江戸時代中後期の松江藩士の武家屋敷には、八雲好んだ山水を絡めた造りの3つの美しい庭は、各々違う趣があり、居間から書斎、庭と続く軸線上にモノを配置していない空間は、静寂漂う凛とした日本美を見事に再現している。

「箱舞台 斜陽館(太宰治記念館)」(左)/ 青森 御所川原 斜陽館(太宰治記念館) 実景(右)
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「斜陽館(太宰治記念館)」(1) 斜陽館(太宰治記念館)1階土間

斜陽館(太宰治記念館)外観(左)/斜陽館(太宰治記念館)1階間取図(右)
斜陽館(太宰治記念館)外観 斜陽館(太宰治記念館)1階間取図

「箱舞台 斜陽館(太宰治記念館)」座敷・土間
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「斜陽館(太宰治記念館)」

10年間のミニチュアハウス制作の集大成の作品ともいうべき「斜陽館」は、文豪 太宰治の生家を再現しており、約2ヶ月の制作期間を費やした作品である。太宰が著書の中で「風情も何もない。ただ大きいのである。」と語っていた生家の玄関から米蔵まで続く、約25mの土間空間の奥行き感を表現するため、実際の斜陽館よりも黒い木材を使い、窓から差し込む薄日は3つのLEDライトを使用し、実際の建物より光の表現を控えめにしたとのこと。バラエティ番組「マツコ有吉の怒り新党」で“新三大こだわりがハンパないドールハウス”で紹介された作品である。

「箱舞台 寺田寅彦記念館」(左)/ 高知 寺田寅彦記念館 実景(右)
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「寺田寅彦記念館」 高知県高知市「寺田寅彦記念館」

「箱舞台 広島 中島町 大正屋呉服店」(左)/ 「箱舞台 広島 猿楽町 田中食料品店」(右)
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「大正屋呉服店」 ミニチュアハウスアーティスト島木英文「田中食料品店」

「箱舞台 京町屋の織屋 織秀」(左)/ 「箱舞台 京町屋の茶舗 香枦園」(右)
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「京町屋の織屋・織秀」 ミニチュアハウスアーティスト島木英文「香露園」

他にも「寺田寅彦記念館」など、現在実在する建物をミニチュア化することに留まらず、嘗て存在したが既にない建物の再現にも挑んでいる。原爆投下前の広島の町の賑わいを再現した「広島シリーズ」として「中島町 大正屋呉服店」「猿楽町 田中食料品店」の作品が展示されていた。「ALWAYS 三丁目の夕日」の時代に登場する戦後の資料と比べ、戦前の資料は乏しいのだが、当時の店舗が扱った商品を探り出しながら再現されたとのこと。更には特定のモデルはないが、町や地域の雰囲気を彷彿させる作品「京町屋の織屋 織秀」「京町屋の茶舗 香枦園」などもある。空気感と奥行きが醸し出す時間感覚は、写真ではなかなか伝わらないので、是非とも実物のクオリティを堪能して欲しい作品と云える。

ミニチュアハウス「用心棒」猫と比較したスケール
ミニチュアハウスアーティスト島木英文「用心棒」


「カサ・デ・トンタ」の作品群は、建物が生み出す空気感や、日本家屋独特の明暗の再現への拘わりが感じられ、「箱舞台」を覗いた瞬間、外観では想像出来ない奥行きへの拡がりを堪能する醍醐味であり、視点のピントを移動させながら、時が経つのを忘れるほど眺めていたい魔法の虜になる。他のアーティスト展示コーナーと違い、まるで万華鏡でも覗き込むような独特な観覧スタイルの一角であった。会場内では、テレビ取材のカメラ撮影も行われていたが、昼食時間時間帯を狙って入場したので、想像以上にゆっくりと「箱舞台」の内装を満喫できた。


立体切り絵のプリンセス 立体切り絵アーティスト SouMa

(交差法)
「神の手・ニッポン展」立体切り絵アーティストSouMa「記念日」(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」立体切り絵アーティストSouMa「記念日」(平行法)

「立体切り絵のプリンセス」の異名を持つ。島根県出身のSouMa氏は、6歳の頃に切り絵を始めたと云う。最初は画用紙に写した浮世絵を切り抜いて遊んでいたそうだが、毎日楽しく切り抜いているうちに技術はめきめきと向上したとのこと。美術やデザイン関係の学校で学んだ経験はなく、全て自身の感性に任せて作品を創作するため、唯一無二の独創的な作風が特徴のアーティストとして島根県松江市の観光大使も勤めている。

立体切り絵(左より)「GARAKUTA」「Garden」「ティアラ」「向日葵」「髪の首飾り」
立体切り絵アーティストSouMa「GARAKUTA」 立体切り絵アーティストSouMa「Garden」 立体切り絵アーティストSouMa「ティアラ」 立体切り絵アーティストSouMa「向日葵」 立体切り絵アーティストSouMa「髪の首飾り」

SouMaと立体切り絵アート作品「自由」
立体切り絵アーティストSouMa「自由」


1枚の絵からできている切り絵は、下書きもせず、全て頭の中で造り上げる誰も真似のできないアート作品である。作風は非常に多岐に渡っており、平面的な作品に留まらず、立体的なもの、光との融合等、従来の切り絵作家という枠を完全に超えた創作活動を展開している。因みに作品「向日葵」の繊細な髪の毛は、割いた後に束ねて結うことで立体感を醸し出している。まさにマジックでも見ているような理屈では説明できない神の手の称号に値するアーティストである。


情景王 ジオラマアーティスト 山田卓司

(交差法)
「神の手・ニッポン展」ジオラマアーティスト山田卓司「プラモデルの日」①(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」ジオラマアーティスト山田卓司「プラモデルの日」①(平行法)

(交差法)
「神の手・ニッポン展」ジオラマアーティスト山田卓司「プラモデルの日」②(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」ジオラマアーティスト山田卓司「プラモデルの日」②(平行法)

「情景王」の異名を持つ。静岡県浜松市に生まれ、幼い頃より模型工作を趣味とし、中学時代には地元のデパートで行われた模型コンテストで毎年入賞。高校時代には模型同好会を発足、高校卒業後に上京、日本工学院専門学校に入学し、在学中に模型雑誌「月刊ホビージャパン」に執筆を始める。卒業後は工業模型製作会社にて、原子力プラントや工業模型の製作に従事後、浜松市に戻りフリーのプロモデラーとして活動を開始する。模型雑誌で作品を発表する傍ら、商品原型、イベント用情景を製作、ジオラマ作品展を開催、模型教室の講師、テレビ東京「TVチャンピオン」の企画で開催された「プロモデラー選手権」では5度の優勝を果たした。

あしたのジョー1970年(昭和45年)テレビアニメ 泪橋 丹下拳闘クラブ(左)/ ジオラマ作品「泪橋の丹下拳闘クラブ」(右)
あしたのジョー1970年(昭和45年)テレビアニメ 泪橋 丹下拳闘クラブ ジオラマアーティスト山田卓司「泪橋の丹下拳闘クラブ」

ジオラマ作品「破壊神」(左)/ ジオラマ作品「追撃」(右)
ジオラマアーティスト山田卓司「破壊神」 ジオラマアーティスト山田卓司「追撃」

ジオラマ作品「おつかいのおもいで」(左)/ ジオラマ作品「バス停留所」(右)
ジオラマアーティスト山田卓司「おつかいのおもいで」 ジオラマアーティスト山田卓司「バス停留所」

多岐に亘る様々なジャンルで活躍するモデラーである山田卓司氏の本領が発揮されるのは、何と言ってもジオラマである。「あしたのジョー」の丹下拳闘クラブ、街を破壊するゴジラ、廃墟に佇むガンダムなど、情景を見事にジオラマに作り込み、人物の表情や仕草が丁寧で躍動感に溢れている。いわゆる昭和ブーム以前より昭和の情景を映し出した作品を多数手がけており、TVチャンピオンで優勝した際のジオラマも「引越しのおもいで」や「終戦のおもいで」といった昭和ノスタルジーが漂うが、昭和の題材以外の作品でも情景を切り出すセンスが損なわれることはなく、日本のプロモデラー界を代表する作家の一人である。

(左より)「情景王 山田卓司作品集」「情景王 山田卓司作品集 第二集」「山田卓司作品集 昭和ノスタルジーの世界」ジオラマ作品「家族2」
情景王 山田卓司作品集 情景王 山田卓司作品集 第二集 OLD DAYS BUT GOOD DAYS 山田卓司作品集 昭和ノスタルジーの世界 ジオラマアーティスト山田卓司「家族2」

TVチャンピオン「第1回プロモデラー王選手権」への参加が大きなターニングポイントと捉えており、昆虫採集している少年を描いた優勝作品「蝉時雨」をおそらく記念碑的な作品として時間制限の制約の中で果たせなかったクオリティに拘ってリメイクしている。更に自らの「家族」をテーマに製作した「家族2」では、1/6スケール作品の机の上に更に1/6縮小スケールの作品「蝉時雨」と共に娘の成人を祝う家族のジオラマを作成し、「山田卓司作品集 情景王 第2集」の表紙を飾っている。着物の柔らかさも実に繊細に表現され、家族愛に溢れた情景ジオラマ作品が多い山田卓司ならではの作風に仕上げている。

山田卓司作品が集まる「浜松ジオラマファクトリー」
山田卓司作品が集まる「浜松ジオラマファクトリー」

静岡県浜松市の中心街にある「ザザシティ浜松」にオープンした「浜松ジオラマファクトリー」にはノスタルジーものをはじめ、ミリタリーものやゴジラ、ウルトラマン、エヴァンゲリオンなどの人気キャラクターを題材にした山田卓司作のジオラマ70点以上が展示されており、展示会場の覗き穴から館内にある山田卓司氏のアトリエの見ることができる。制作作業場を公開する事により、浜松の子供達や観光で訪れる皆様に“ものづくり”の素晴らしさやホビーとしての趣味の魅力を多くの皆様に伝えたいという願いが込められている。当初は半年間限定の設定だったが、来訪ツアーが組まれるなど、人気や知名度が上昇し、常設施設として継続されることになった。

ポップアップアーティストHIROKO作品集

療養中で辞退となったポップアップアーティストのHIROKO氏による1枚のカードを開くと観覧車やメリーゴーランド、ローラーコースターなど、紙で作られた立体的な造形物が飛びだす作品も僅かだが展示されていた。

(交差法)
「神の手・ニッポン展」グッズコーナー(交差法)
(平行法)
「神の手・ニッポン展」グッズコーナー(平行法)

太田隆司「東京雷門 西暦2007」ウッドBOX版・PAPER 3D BOX MUSEUM(左)/ 島木英文 写真集「記憶の箱舞台」(右)
太田隆司「東京雷門 西暦2007」ウッドBOX版・PAPER 3D BOX MUSEUM 写真集「記憶の箱舞台」島木英文

ジオラマあり、ミニチュアハウスあり、立体作品あり、想像以上に琴線に触れた作品展であったが、立体写真として記録したい衝動にも駆られ、撮影禁止の展示会が余計に悔やまれ、3Dカメラのみ撮影許可が下りるなど身勝手な空想に耽った。までグッズ販売コーナーでは、太田隆司作品の商品が最も多く、ポスカードなど数多く置かれていた。3DウッドBOXに目を奪われたが、さすがに一万円を超す高値に躊躇し、本屋では入手できそうもない島木英文作品写真集「記憶の箱舞台」だけ購入した。会場を去る時間帯には徐々に入場者も増えていった。

神の手・ニッポン展

“神の手(ゴットハンド)”とは“卓越した想像・創造力と技術を駆使し、日本独自の価値を持った オンリーワンの作品を作り出す作家たち”を敬う表現である。「神の手ニッポン展」は、日本のものづくりスピリッツを受け継ぎながら、現代において意欲的に創作活動を行ってきたアーティストたちの作品に魅せられた。高度な技術に裏打ちされた作品群を通じて、日本人ならではの手先の器用さや感性の豊かさ、探究心や真摯さの発信により、展示作品のジャンルの違いこそあれ、日本人ならではの意識・技・精神という共通した「軸=価値」を感じられたのかも知れない。

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旧年中は当ブログへご訪問戴きましてありがとうございました。本年も宜しくお願い申し上げます。
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広島県出身、東京⇔大阪間の転勤を繰り返し、現在大阪在住。広島カープ・球場模型・艦船模型が好きなオッサンだが、アクアテラリウムの名人に出会ってから魅力にはまった。以前から興味のあった3Dカメラを購入し、立体的に(あくまで私的に)アクアテラリウムへのチャレンジを記録に残していくのであった。


 
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